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洗剤の歴史


洗剤の歴史

  • 洗剤とは、不潔な汚染物(汚れ)を取り除いて清潔にする力(洗浄カ)を主として発揮する天然又は人工の物質である。
  • 洗剤問題とは、洗剤がもつ本来の価値で有る洗浄力以外に、人体障害や環境汚染を引き起こす欠陥を指摘し改善する社会問題である。

天然洗剤から石鹸・合成洗剤へ

  • 世界各国共天然の洗剤(サイカチの実、キキョウ、シヤボン草、シクラメン、大豆のゆで汁、米のとぎ汁、牛の胆汁、糞、尿、ウグイスの糞、etc)が長い 間使われて居たが、工場で初めて作られ商品化された洗剤は石鹸であり、伝染病 の予防手段として特にフランスでは熱心に研究され、ニコラス・ルブランに依り苛性ソーダの製造法が開発され量産が可能になった。

石鹸の製造のあゆみは下記の様になる

  • 古典的な石鹸
  • 羊脂+木灰
  • 苛性ソーダの量産
  • 1775年 ルプラン法
  • 1860年 ソルペイ法
  • 1890年 隔膜電解法
  • 1897年 水銀電解法
  • 1940年代に石鹸普及

日本の石鹸のあゆみ

  • 1543年 ポルトガルより渡来
  • 1889年(明治22年)小間物商長瀬富郎商店が日本初の銘柄入リ石鹸を製造

石鹸から合成洗剤への転換は

  • 油脂不足
  • ヨーロッパ、アメリカ等の硬水地域での石鹸の欠点(洗浄力、石鹸カス)克服
  • 界面化学、合成化学の発展
  • 価格、量の不安定な油脂から安定供給の可能な石油への原料転換
  • 電気洗濯機の急速な普及による洗剤シェアの拡大等が原因である

合成洗剤のあゆみは下記の様になる

  • 1834年 オリーブ油、ヒマシ油を硫酸化(ロード油)
  • 1928年 高級アルコール(アルキル硫酸エステルナトリウム)開発
  • 1933年 ABS(アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム)開発
  • 1960年代ABSからLAS(直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム)
  • へ転換に供ない合成洗剤が石鹸に変わって洗剤の主流となった

日本での合成洗剤のあゆみ

  • 1960年(昭和35年)石炭から石油ヘのエネルギー転換に供い合成洗剤の転換が行なわれ、石鹸に変わって洗剤の主流となった

合成洗剤による人体障害、環境汚染

  • 石鹸時代は使用量も少なく石鹸カス程皮の問題であったが合成洗剤が主流となリ使用量の増大に供い社会問題となった。
  • 1947年 ABSによる「アワ事件」(USA・ベンシルベニア)
  • 1957年 ABSによる「井戸水汚染」(USA・ニューヨーク)
  • 1962年 ABSによる手荒の問題(日本・USA等)
  • 1966年 LASによる地下水汚染(USA・ニューヨーク)
  • 1971年 LAS使用禁止(USA・ニューヨーク州・サホーク郡条例)
  • 1979年 琵琶湖条例
  • 1981年 霞ケ浦条例

人体障害

  • 急性毒性

界面活性剤

用途別 経口急性毒性
(LD50mg/kg)
ABS 洗濯用 438
LAS 洗濯用 404
AOS 洗濯用 2000
SAS 洗濯用 2700
ASF 洗濯用 1900
AS 洗濯用・シャンプー・ハミガキ 1000
AES 洗濯用・台所用・シャンプー 1800
POE・P 洗濯用・台所用・シャンプー 1600
POE・R 洗濯用・台所用・シャンプー 2700
脂肪酸系 食品添加物・化粧品 20000
DA 洗濯・台所・シャンプー 2700
脂肪酸ナトリウム・カリウム 洗濯・浴用・シャンプー 16000

皮膚障害

  • 人体障害中最も多い(LAS・ABS・AES・AOS・AS)

発癌性

  • ABS・LASに疑いが有り現在実証的解明中

眼粘膜に対する障害

  • LAS>AOS=AES>AS>石鹸>非イオン系

蛋白質変性作用

  • 蛋白質はアミノ酸の結合体でアミノ酸が鎖状に結合したものをポリペブチッドと呼び、S系界面活性剤(LAS・ABS・AES・AOS・AS)はポリペプチッドの結合をパラバラにする。これを蛋白質変性作用といい元へ戻らない。
  • 非イオン系界面活性剤のPOE系は弱い変性作用を起すが元ヘ戻る。

酵素活性阻害

  • S系界面活性剤によって活性阻害が起きる

精子・母体・胎児に対する影響

  • S系界面活性剤は特に影響度が強い(特にLAS)

合成洗剤による環境汚染

  • 現在我国の単位面積あたリの合成洗剤の消費量はアメリカの約10倍以上といわれているが、下水道や下水処理場の普及率は先進国中最低の水準であり、河川が短く流れが速い為生分解(好気性細菌に依ってニ酸化炭素と水に分解される)が遅い石油系界面活性剤や高級アルコール系(特にLAS・ABS・ARS・POER・POEP)は環境汚染の原因となっている。

蛍光増白剤の人体障害と環境汚染

  • 蛍光剤は染料であるので衣類付着すると石鹸・無蛍光洗剤で洗っても一年以上取り去ることが出来ず大変有害物質の為、肌の弱い人(赤ちやん・アトピー・アレルギー体質等)には厳禁である。又排液は泥や生物に付着し汚染の原因になる。

S系界面活性剤とは

  • ABS・LAS・AES・AOS・AS・SAS・等名称の中に「S」の字が有る界面活性剤を云う

非イオン系界面活性剤とは

  • DA・SE・POE-R等水に溶けても親油基、親水基共にイオンにならないもの